冒頭の裏技


 難易度 : ★ ☆ ☆ (初歩)

 習得前提技術 : 特になし


 これは「技術」と言うよりも、文章を書く上での「コツ」みたいなものなんですが……

 特別に効果を意識して書いたわけでもない冒頭の何十行かは、無駄になる場合が多い。後でスッパリ切った方が良い。

 ではなぜ不要な文章を冒頭に書いてしまうのかと言うと、筆が乗らないから。筆が乗らないから、どうでも良い内容の文章を書いてしまう。
 しかし、書き進めているうちに頭の中が整理されて、きちんと作品の主旨に沿った内容になってくる。
 だから、筆が乗らないうちに書いた冒頭は、スッパリ切った方が最初から読者に作品の主旨を提示できるかたちになる。
 つまり切った方が「良い冒頭」になる、場合が多い。

 まあ、書き慣れた人なら「この冒頭の部分は不要だな」と自分で判断できるようになるのですけどね。と言うかむしろ、書き慣れている人は最初からそんな無駄を書かない。
 ただこれを逆に使うと、最初から冒頭の部分を切るつもりで文章を書き進め、むりやり筆の乗りを滑らかにする、と言う手にもなります。







 ……ちなみにココからは裏技。
 あなたが誰かの書いた小説を批評してほしいと頼まれた時。相手がまだ小説を書き慣れていないのなら。

「ここからここまで。冒頭の部分が不必要になってしまっているね。
切った方が良いんじゃないかな?」

みたいなことを言うと、作品を全体として深く理解したっぽく見えます。賢そうに見える。
 細部の指摘だけではイチャモンに聞こえてしまいますが、全体の構成に関する指摘と言うのは誰でも出来るものではありませんからね。
 ただし、ある程度以上の訓練を積んだ小説書き相手では、すぐに見抜かれてしまい、通用しないので注意しておいてください。

 ちなみに、冒頭を切る理由を説明するとしたら、せいぜい

●無駄な描写が続いている。
●説明が詰め込まれていて、読み始めとしては興味が持てない。
●ストーリーが最初から進んでいない。

くらいのものですか。
 以上を逆に考えると、「良い冒頭」の例になるのは言うまでもありません。

 卑怯技ですな。このワザを使用なさった後どうなるか。悪いですが、当方は責任を負いかねます。



 応用範囲 → 執筆活動全般



Back to Menu