奥行きのある風景を描こう:1

        風景描写なんて大嫌い




 風景描写が苦手だという人は多い。だが、もちろん小説において風景描写は重要です。

 風景の中に情緒を見出すという文章作法は、古来より日本文学の得意分野でした。
 四季の豊かな日本という土地柄ゆえ、日本人は時候と共に生きてきたためか。日本語には雨に雪と、季節に関する固有名詞が多い。
 明治の文豪ならば、手紙へ挨拶代わりに俳句を添えるのも珍しくありません。俳句とは季語を持つ、一種の風景描写詩、つまりは叙景詩のようなもの。つまり風景描写とは小説だけの特別なものではなく、挨拶に使われる、ごく日常的なものだというわけです。
 と、こんな風景描写は大事なのに苦手だという。

 どうすれば風景描写ができるようになるのか。ボクが分析したところ、風景描写が苦手だという人には大まかに、ふたつの理由があるようだ。
 すなわち

@お題を探して、風景を描写する習慣がない。
Aやってみても、あまり上手と思えない。

 これらの問題。実際に練習しながら解決してゆこう。


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