奥行きのある風景を描こう:10

     遠景から近景へのカットチェンジ



 今度は、遠景から近景へのカットチェンジを実際にやってみせます。

《例》
 この町は江戸時代から、昔ながらの旅篭町だ。交通の要所として、高度成長期まではも賑やかだった。だが高速道路が郊外にできてからは、ストローのように人が都会に吸われる。出て行くのみで戻ってこない。今では商店街も寂れてしまった。

 さて、例文のどこに遠景があるか。分かるでしょうか。実は冒頭部分が、現代に対する「過去」という遠景になっているのです。
 これは他のメディアには表現不可能な、小説独自の表現方法といえるでしょう。

 他にも、自分が低い場所にいるなら、高い場所は遠景になる。自分にとって他人事は遠景になる。
 いろんな近景と遠景が考えられます。皆さんも自分だけの「距離感」を探してみましょうね。


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