アイデアノックをやろう その1

           アイデアノックとは




 誰も考えたことのない画期的なネタさえ思いつけば、自分だってチョロく小説家デビューできるはずなのに。
 皆さんも、そんなふうに考えた経験はないでしょうか。ですがアイデアとは、いきなり天から降ってくるものではありません。

 例えばアイデアを考える仕事のプロともなれば、一日に最低百本もの企画を思いつくよう求められます。そうして考えた山のようなアイデアの中から、厳選に厳選を重ねた結果として、ナイスアイデアが生まれてくる。
 単にボケーッとアニメを見ていたり、普通に生活を続けていたりしたって、アイデアなんて思い浮かばないものなのです。努力もなく、簡単にアイデアが浮かぶのなら、誰だってプロになれます。

 では、ナイスアイデアの条件とはどのようなものなのか。ある本によれば、アイデアとは全く新しいところから出てくるのではない。アイデアとは、異質なふたつの結びつきだといいます。
 既存の方法では、あなたの問題を解決することはできない。そこでアイデアが必要になる。思いも寄らなかったものと、ものとが結びついて、問題が解決できてしまった瞬間。この結びつき方をナイスアイデアと呼ぶのです。

 しかし、《異質な結びつき》なんて、そう簡単に繋げられるものではありません。だって《異質》ゆえ、結びつけようだなんて誰も考えたことがない。だからこそナイスアイデアとなるのですから。
 これはもう、《異質な結びつき》が起こる可能性なんて、偶然に近い。ならば人為的に偶然を起こそう、というのがアイデアノックの考え方です。


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