自分が本当に書きたいものを知ろう
その1

                 己を知る




 小説家に憧れ、目指すことにした。まず何をすれば良いのか。ともかくは下手でも書くところから。書き始めないと上達もしません。
 けど書き出せない人がいます。そんな人から、どうすれば良いだろうかと相談を受けて、決まってボクはこう質問するわけです。
「何を書きたいの?」
 すると必ずいるのですよね。こう答える人が。
「わかりません」

 相談を受ける側としては、この「わかりません」という答えが一番困る。だって「自分はどんな小説を書きたいか」なんて、あなた自身だけの問題じゃないですか。他人からこうしろああしろと、いちいち命令されて書くのでは意味がない。というか別に小説を書きたいわけじゃないのなら、小説家になろうとする必要がない。
 もしかして、小説家という立場がチョロそうだから憧れただけで。小説書きには向いていない人だっているかもしれない。

 というわけで、自分は何を書けば良いのか分からない人たちに。まずは己を知る、というところから始めてみましょう。


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