他に類を見ない企画を立てよう その3

        第一話のプロットを切ろう




 充分だと思われるまでに設定が溜まってきたなら。ここからが最高の難問です。そのヒーローを使ったテレビシリーズの、第一話目のプロットを切ってください。時間はオープニング、エンディング、CM、次回予告を加えての、三十分間。

 三十分の中で、ヒーローの格好良さ、主人公の日常が崩れて事件に巻き込まれる瞬間、敵はどんななのか、そして主人公がヒーローとなり敵と戦って勝つまで。全て描いてください。
 もちろん視聴する相手は、難しいことの分からない子供です。しかも書き手である、あなたの事情なんて知ったこっちゃない相手へ向けて、面白いストーリーを作りましょう。

 すると設定は多すぎても使い切れないし、少なくても物語にならない。重要な幹と、どうでもいい枝葉との区別が大切になります。
 そう簡単に見極められるものではありません。経験を積み重ね、鋭い勘を養わなくては、到底不可能でしょう。

 余談ですが。
 『機動戦士ガンダム』の第一話目は、ガンダムの第一話は、アムロがごく自然な流れでガンダムに搭乗し、敵を倒すまで。全て三十分でやってしまっている。おかげで「第一話のプロット」としては至高の出来になっています。
 余剰も不足もない、というのが最も難しいんですよ。


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