他に類を見ない企画を立てよう その5

                    実例




 では、実際にボクもやってみるとしましょう。

 ヒーローなのに、悪の力を使うというのはどうだろう。ならば悪魔がモチーフだな。すると悪魔をたくさん出さなくてはならない。ソロモン王と七十二柱の悪魔が、設定に使いやすいかな。いいかんじ、いいかんじ。で、ソロモン王といえばアイテムは指輪……指輪の仮面ライダー……。
 既にいた。アウト−!

 気を取り直して、次。

 オリジナルの仮面ライダー企画か。仮面ライダーといえば伝統的に、最初は蜘蛛の怪人と戦っている。ここはあえて、怪人としては定番である蜘蛛をモチーフにした仮面ライダーというのはどうだろう。蜘蛛の能力で戦う、その名も仮面ライダー・スパイダーマッ!
 アウトだよ!

 ほらね?
 この問題、プロでも難しいんですよ。ボクだって実は、自分で満足した企画のできた試しがない。簡単に成功するものなら、誰でもクリエイター様になれますよ。
 しかも自分では成功と思っていたとしても。プロの場合は更に、他人からダメ出しの洗礼を受けなければならないというね。頭を抱えたくなります。
 でもね、良い作品はこのくらい悩まないと、生まれないとも思うのです。


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