奥行きのある風景を描こう:11

        想像した風景の中に立ち




 描写の基本とは、もちろん文章の使い方も大事ですが。最も大切なのは、想像すること。それこそ、その場に吹く風をリアルに感じられるくらいに、強いイメージを持つ。
 風景描写では特に、書き手のイメージ力が問われることになります。

 風景描写なんて、確かに小説では添え物に過ぎないかもしれません。カレーに対する福神漬けのようなもの。なくても済むかもしれないが、ないと寂しいのも間違いない。
 物語内における作家の仕事は多岐に渡ります。ストーリーを考え、登場人物に演技をさせる。中でも風景は名脇役として、必ずや物語に華を添えてくれるでしょう。

 また近景と遠景のカットチェンジの他にも。冒頭でも説明しましたが、信条と風景の重ね合わせや。事件と風景を組み合わせて、ストーリーを進めてしまうなど。いろいろな方法があるはずです。
 今回紹介した、これらの技法だって。実はボクがずっと無意識的にやってきた風景描写法を、なんとか他人にも使えるよう成文化したもの。つまりはボクのオリジナル技法です。俳句うんぬんは最近になって知ったので、ついでに利用させてもらいました。

 当技法、かなりカスタムの余地が広い技法だと思われます。皆さんもこんな感じで、各人のオリジナル技法を作り出してくださいね。
 最終的には、それこそ風景描写だけで読者を読み進められるくらいの作品を目指してゆきましょう。


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