コレクションSSを書こう その6 リトマスとリアクション |
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ならば、キャラを出すには。つまり違いを出せば良いわけですが。どうやって出すのかという問題になります。 例えば技法的な話をすると。外貌描写には、印象描写と即物描写のふたつによる方法があります。
しかし、外面だけではキャラクターを描くにも限界があります。例えば外見の同じ双子でも、個性の違いはあるもの。 ならばその個性とは、どうやって出すか。 人間、放置しているとジッとしているものです。さっきの双子の例ではないですが、外見が同じ登場人物では、ジッとして動かないでいると違いは出ないもの。個性を出すには、自ら動いてもらわなくてはならない。ならば、どうすれば動くのか。動機を作ってやれば良いのです。 既に持っているモノを人は欲しくはなりません。欲しいモノは常に外にあります。欲しいモノがあるから動く。動機は外界にこそ生じるものです。 そこで作者としては、キャラクターに外から刺激を加えてやりましょう。すると反応[リアクション]が起こります。 このような外部刺激を与えて反応を引き出す手法を《リトマス法》といいます。 例えば考え事をしている人がいる。彼が何を考えているか、第三者である他人には内面が分かりません。 そこへカレーの匂いがしてきて、腹の音が鳴って、本当は彼が空腹だったことが分かる。いっそのこと誰かが質問すれば、彼の悩んでいた問題を聞き出せます。 設定にリトマスが投げ込まれることによって、どんなリアクションが返ったか。リアクションから間接的に内面的な事情が描かれる。こうして設定を紹介するのです。
ドラマとは人間を描くことだといいますが。「人間を描く」とは、登場人物の外見を細かく説明したり、データをたくさん用意するだけでは不充分です。 ある状況条件で、ある場面に遭遇した時、その人が実際にどんな行動をするか。心の葛藤がどうであれ、実際にやれることは一度にひとつ。 個性によってリアクションが決まるのです。
キャラクターの魅力は設定や萌え記号ではない。リアクションの出し方によって魅力が変わるのです。 あとは設定やリアクションを小説として描写するため、具体化してやりましょう。 |