構成とは何なのか


 難易度 : ★ ☆ ☆ (初歩)

 習得前提技術:特になし



 果たして、構成とは何なのか。皆さん、ご存じでしょうか。

 文章や小説を書く上で、何となく大切っぽいと言う気はするでしょう。単語の意味は説明できなくても、何となく使い方も理解できます。
 「ストーリー構成が巧くなりたいです」とか、「構成が巧く行かない」とか。構成と言う語を使っている人も多くいます。
 ならば、では構成とは何なのか?
 この根本的な質問に、答えられるかと言うと。自信を持って具体的に説明できる人は少ないのではないでしょうか。

 国語の辞書通りに解釈するなら、構成とは「まとめること」もしくは「組み立てること」と言うことになります。バラバラになっている部品を繋ぎ合わせ、ひとつの構築物にまとめあげる。
 これが構成と言う語の意味であると。では小説の執筆作業において、構成とはどのような意味を持っているのでしょうか。

 作品を書く前の段階において。アイデアは頭の中で、断片の状態に過ぎません。その、断片に過ぎない情報をまとめ上げて、完成された作品と言う構築物にまとめあげる。
 もっと具体的には、「どうやって話題を配置するか、その方法」もしくは「話題を並べる順番」。これが執筆作業における構成だと思って良いでしょう。

 ここで注意しなければならないのは、構成にも幾つかの段階があり、段階によって詳細な意味合いが変わってくる、と言うことです。
 自分が言いたいことをまとめるのが構成であるのに違いはないでしょう。ただ、「言いたいことをまとめる」作業とは、執筆における基本中の基本。小説を書く以前の、作文レベルでの話です。書く前の、作者の頭の中にある情報をまとめるだけの作業に過ぎません。
 大事なことではあるでしょうが、ごく初歩的な作業であるのも確かです。

 ならば、小説における構成とはどのようなものなのか。
 ただ単に、情報をまとめるだけではない。情報を取捨選択し、入れ替え、ベストな全体像を目指す。その、まとめ方に自分の意図を織り込む。つまり、意図ある計画的なまとめ方こそが、本来あるべき小説における構成作業です。
 「言いたいことをまとめる」のと「まとめ方」とは、作業としてまた違います。

 ただ単に、言いたいことをまとめて、はい終わりって。
 それは「構成」ではなくて、「構想」だー! とボクは声を大にして言いたい。





 余談ですが。
 小説書きにおいて、面白い作品が作れるかどうか。その要素として、発想や文章の分野では、生まれ持ったセンスが大きく物を言う場合があります。ただし、こと構成において天性の才能が介入する余地はありません。
 学習と経験でしか、構成は身につかないし。計画性を持って作品を書かないと、構成の練り込みは出来ない。
 構成とは、そのような性質の技術です。


 応用範囲 → 構成



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