■Yukitoさんからの質問

 さて、今回は、キャラメイクについての質問をさせていただきます。
 無論、小説講義メニューの中にも用意はされていますが、更新されるのはかなり先のようだと判断いたしました。そこで、まことに勝手ながら、一歩先にご教授願えればと、メールを書くことにしました。
 よろしくお願いします。
 まず、キャラメイクにおいて、そのキャラクタの過去やパラメータ(特技等)を設定します。これで、その人物の基本はできました。
 問題はこの後、適当なスパイスを加えたいのですが,何か方法はありますか?



>更新されるのはかなり先
 現在、更新が遅れています。すみません、すみません。
 でも実は、きちんとキャラ講座の構想だけは練っていました。ではキャラ講座、予告編、お試し版のはじまりです。

 まず、ボクは《キャラメイク》を《人物造形》と呼んでいます。これには大した意味はありません。ただ個人的に、キャラメイクよりも人物造形の方が、しっくり来るので、こちらに統一させてもらいます。
 その人物造形とは、すなわち描写技術の応用だとボクは考えています。

 では描写に必要なものは何か。《描写対象》と、その描写対象を表現するための媒体。すなわち《言葉》です。
 すると、人物造形における《描写対象》は、その登場人物の《人となり》。もしくは《キャラクター性》と言うことになります。
 ならば描写するための《言葉》は何に当たるか。これは、ストーリーです。ストーリーと言われてもわかりにくいのであれば、《キャラクターの行動》と言い換えても構わないでしょう。
 ちなみにセリフはこの、《キャラクターの行動》に含まれます。

 つまりキャラの行動から、その人となりを浮かび上がらせる。登場人物の人となりをほのめかす。描写する。それが人物造形だろうとボクは考えています。
 だからもちろん、人物造形には《描写》だけでなく、《説明》もあります。
 例えば地の文で「彼は優しい人だった」と言い切ってしまえば、《説明》となるでしょう。もしくはセリフで「俺は優しいぜ!」と自己言及すると言うテもあります。あまり効果的ではないでしょうが。

 それから、過去やパラメーターや特技など。確かに、《描写対象》となるキャラクター設定の仕方が、人物造形では大事になってきます。
 ただここからが問題で、ボクと、Yukitoさんとの意見の相違なのですが。Yukitoさんは「まず、キャラメイクにおいて、そのキャラクタの過去やパラメータ(特技等)を設定します。これで、その人物の基本はできました」とおっしゃっていました。
 ですがボクは、過去やパラメーターや特技などをこそ、ボクはスパイスだと思っているのです。

 つまり、人物造形を料理に例えると、第一義は素材の旨味を引き出すことである。スパイスやソースは副次的なものにすぎない。そして、過去や特技やパラメーターは、その副次的なもの、スパイスやソースに相当するのではないか。とボクは考えています。
 ならば、「素材の旨味を引き出す」人物造形のためには、どのようなキャラクター設定が必要なのか。

 それはズバリ《性格》《役割》です。
 《性格》とは、キャラクターの内部に関する設定。外界の刺激に対して、どのような反応を返すかと言う基点。
 一方《役割》には、主人公とか、ヒロインとか、悪役とか、ある登場人物が物語上でどのようなポジションにいるか、と言う意味がありますが、意味としてはそれだけに限りません。
 人物造形における《役割》とは、キャラクターの外部に関する設定。社会や他者とのあり方。その登場人物が、世界とどう関わり、どう必要とされているのか。と言う意味があります。

 過去は《性格》を決定づける重要な要素でしょう。特技は、人間関係の中でどう必要とされるかと言う《役割》を決定づける重要な要素となります。ただどちらかと言うと、素材に味付けをする《スパイス》の方となるのではないでしょうか。

 つまり、登場人物の行動を通して、性格と役割を、ほのめかして描写する。これが、人物造形と言うものだとボクは考えています。

 そしてこれ以上の例えば、そもそも性格や役割とはいったい何なのか。その設定方法にコツはあるのか。それ以前の問題として、魅力的なキャラクター設定とは何か。もしくは人物造形の描写方法に関しても、《秘密と嘘》、《表と裏》、《エンブレム法》、《パントマイム》と様々な技法があります。
 ただそういったことを説明するには長くなるので、キャラ講座で行うつもりです。
 申し訳ありませんが、もう少しお待ちくださいね。



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