シーン転換の技法 その1

            シーンとは




 文章を書くに当たって、本題に関係のない箇所まで全て書いていると、読んでいる方としては回りくどい文章になってしまうものです。
 分かりやすいとことでいうと、例えば小学生の日記。「今日は朝起きて、朝ごはんは目玉焼きで、歯磨きして、遊園地に行きました。楽しかったです」なんて書いてあったりして。
 読んでいる方としては、朝食のメニューや、歯磨きした報告など、どうでも構わない。遊園地に行ったのが特別なら、そこを書いて欲しかったと思うのではないでしょうか。もちろんコレが小学生の書いた日記ならば許せるのですが。実は大人でもこういう文章を書いてしまう人は多いもの。

 また内容の正確さにこだわって、全ての事象を記述することも不可能です。全て記述していたら、読み切れなくなってしまう。
 必要なのは、自分が本当に伝えたいこと以外は無駄だと、省略すること。必要な箇所だけを記述する。するとシーンとなる。
 物語とは、断片の集合体。シーンという、ひとかたまりが連続して成り立っているものです。ですが、それぞれのシーンに統一性があるから読んでも違和感がなくなる。

 しかし、やっぱり断片は断片。シーンで構築された物語は、積み木のように崩れやすいもの。シーンが途切れるごとに、読者を現実に引き戻そうとする力が働くものです。
 そこで読者を引き留めるため。スムーズに次のシーンへ入る方法をいくつか紹介したいと思います。


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