シーン転換の技法 その5

          連結法いろいろ




 最後にオマケとして、物語のさまざまな連結方法を紹介しましょう。


■連結・連接
 ある物語に別の物語が後続する。あるいは、ある物語の最後の部分がそのまま別の物語の最初の部分を構成します。

《例》
「Aは幸福だった。Aは離婚した。Aは不幸になった。Bは不幸だった。Bは結婚した。Bは幸福になった」

 上の例文は、「Aは幸福だった。Aは離婚した。Aは不幸になった」と言う物語と「Bは不幸だった。Bは結婚した。Bは幸福になった」と言う物語が連結してできています。


■埋め込み・入れ子
 ある物語が他の物語に埋め込まれるような結合をします。

《例》
「Aは幸福で、Bは不幸だった。Bは幸福になった。Aは不幸になった」


 これは「Bは不幸だった。それからBは幸福になった」と言う物語が「Aは幸福だった。それからAは不幸になった」と言う物語の中に埋め込まれているのです。


■交替
 ひとつの物語が他の物語と交互に、混合して現れます。

《例》
「Aは幸福で、Bは不幸だった。Aは離婚し、Bは結婚した。Aは不幸になり、Bは幸福になった」

 この例文は、「Aは幸福だった。Aは離婚した。Aは不幸になった」と言う物語と「Bは不幸だった。Bは結婚した。Bは幸福になった」と言う物語が交互に現れてできています。


 以上のような連結法を使って、シーンの繋ぎ方だけで様々な「意味」を作ってみると面白いですよ。


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