コレクションSSを書こう その10 コレクションSSのテンプレート |
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さて本講座において最も危険な項目が始まろうとしています。 今までの講座で、テーマ、設定、リアクションとアイデアが出てきました。ここまで来ると、プロットノックを百本もこなしたような腕の持ち主ならば、大体は問題がなくなるはずなのですが。 でも、いるんですよねー。 テーマに設定にリアクションの、これのどこがストーリーなんだ。こんなのでストーリーなんて思い浮かぶはずがない。挙げ句に、俺の考えたストーリーの何たるかと違うから駄目だとかいう人が。 いや、オマエ小説を書きたくないだけだろうと。 プロットノックやっていれば、そんな悩みは出てこないはずなんですが。自分で物事を考えない甘ったれほど、文句が多いものです。 さて、ここからは問答無用。 つべこべ言わず、ボクが指示する作業を、そっくりそのまま、命令通りに行ってください。
だからDの作業終了段階で「設定 → (ところが) → リアクション → テーマ」という構成になっているはずです。 ちなみにシメの演技化は、テーマを焦点子(視点の持ち主)に代弁させてやってください。
試しに何個か実例を作ってみましょう。
こうなると本作業はもうプロットノックの応用になってきます。プロットノックより簡単なくらいだとは思いますけどね。 例3については苦手な人の多い、風景を起点にプロットを作ってみました。 ちなみに風景描写について説明しておくと。人物描写は、動いた瞬間を描けば良い。しかし風景は動かないのに、どうやって描けば良いのか。 西洋美術において「風景とは再発見されるものである」といいます。風景はもちろんですが、どこにでもあるもの。だが、何気ない普段の光景も、ある瞬間に特別なものになることがある。 その特別になる瞬間に必要なのが、絵画を飾る枠・フレームということになります。枠の存在は、風景を見る人によって作られます。風景を見る人、すなわち視点の持ち主ですね。また視点の持ち主は、先述した《相方》としても機能します。 つまり、視点の持ち主にとって、その風景が特別になる瞬間を描けば良いわけです。 パントマイムで、演者の前に透明な壁があるように見えるのと一緒で。その景色を美しいと思っている人を描くことで、美しい景色自体を描く……といえば要領が掴めるでしょうか? |