はじめに、その2 その1の補足、技術の特性 |
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ひとつ、良いコトを教えよう。 《技術》には普遍性がない。普遍性がないと言うことは、いい加減でチャランポランだと言うことだ。だがいい加減だと言うことは、解釈次第でどのようにも形を変えられると言うことでもある。つまり、応用が効くと言うことだ。 《累加の手法》と言う技法がある。例えば悲惨な情景を描こうとする場合、悲惨なものを書いた上で、更に悲惨なもの、もっと悲惨なものを、と書き連ねる。そうやって、出来事や人物の雰囲気なり色調なりを際立たせようとする技法だ。 この技法をボクは最初、描写のための技法として知った。だが少し考えてみればわかる。この技法は文章にも使えるが、ストーリー構成にも使える。何のことはない。悲惨なものを描こうとする場合なら、単語を書き連ねるのを、シーンに置き換えれば良いだけの話だ。 そうやって、部分と全体、全体と部分を行き来させる。単語、文章、段落、シーン、ストーリー。ひとつの技法は、あらゆる階層で使うことができる。 ……これが応用のコツだ。このコツを念頭に置きながら学ぶことで、飛躍的に学習効率は高くなるだろう。と言ってもこれも、ひとつの《技術》に過ぎない。あまり真に受けないように。 |