キャラシーで人物造形(9)




 では試しに実例として、サンプルとなるキャラクターとパートナー。そして、ちょっとしたストーリーを作ってみましょう。
 あらかじめ作っておいたものが、こちらになります。

■サンプルキャラクターA
●クラス:凄腕の戦士。
●性格分析:外向2。愛着1。統制1。非情3。遊戯2
●性格:表向きの愛想は良いが、どこか自分自身すら突き放したものの見方をしている。
●動機:戦いに刹那的なスリルを求めている。
●生い立ち:貧村から奴隷として売られるも、剣闘士として勝利を重ね、自由の身を得た。以来、傭兵として流浪の旅をしている。親に売られたという過去から、他人を心底から信じられない。
●外見:あらゆる武器に通じるため、逆に普段は武器など持ち歩かない。基本は現地調達。ただし特に、短剣の二刀流を得意とする。

■サンプルキャラクターB
●クラス:凄腕の戦士。
●性格分析:内向3。分離2。自然2。情動3。現実2。
●性格:正義感の強い熱血漢。
●動機:戦士としての名誉を得たい。
●生い立ち:没落貴族の子弟。武勲を立てることで家の再興をしようと考えている。旅で見聞は広まったが、基本的に世間知らずのお坊ちゃま。
●外見:旅慣れた軽装をしてはいるが、立ち居振る舞いから育ちの良さがにじみ出ている。家宝の大剣を愛用し、肌身離さない。

 このAB、ふたりのキャラクターが互いにどんな感情を抱いているかは、以下のように作ってみました。

■欠落
●AにとってのB:責任を背負う重さ。
●BにとってのA:自由な生き方。

■共感
●AにとってのB:まっすぐで見事な太刀筋。
●BにとってのA:変幻自在で見事な太刀筋。

■反発
●AにとってのB:真正面から堅苦しい戦い方。
●BにとってのA:卑怯な戦い方。

 ではストーリーを作るに充分な用意はそろいました。全てのパターンで作ると面倒くさいので、「B→A」で「反発→共感」というストーリーを試しに作ってみましょう。
 まずはイベント。自分だけでは克服できない状況を設定してやります。

《例》
悪い大臣から企みの片棒を担がされるが、立場的に断れない。

 後は情報を並べてやれば、ストーリーが一個できあがり。

《例》
Aと一緒に仕事をすることになる。腕は立つが、Aの無責任さに喧嘩してしまう。ところが、この仕事というのが悪い大臣の企みだった。ひとりでは脱出できない窮地に追いやられたBだが、そこへAが助けてくれる。背中を任せて戦ううちに、信頼が生まれる。

 はい。ベッタベタではありますが。確かにストーリーらしきものが一個できあがりました。


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