プロットノックをやろう その2

        はまタロットを作ろう




 《はまタロット》はプロップの他にスーリオー、グレマス、ブレモンといった多くの方々が唱えた物語機能論を集約。何度も試運転を重ねて作りました。

 本家のアルカナタロットや、大塚タロットは、ひとつの意味がカードの向きで変わります。
 もちろん《はまタロット》にも上下の違いはありますが、少し違う。1カードにふたつの言葉が書かれており、正逆の位置によって、そのどちらかが選ばれることになるのです。



 これは、似た意味で他のカードと重複しないための工夫です。
 たとえば《旅立ち》の後にすぐ《帰還》が来てしまったら。できるストーリーは単純過ぎるものになってしまい、練習になりません。
 一度の配置[スプレッド]で出来るだけ多彩な属性の《意味》が並んでいた方が、ストーリーを作る練習になりやすい、というのがボクの結論でした。

 さて、以下がその《はまタロット》の内容となっております。

●旅立ちと帰還
 ・正(旅立ち):新天地への移動。
 ・逆(帰還):元いた場所へ戻る。
●出会いと別離
 ・正(出会い):見知らぬ人と邂逅する。
 ・逆(別離):知人隣人と会えなくなる。
●平穏と怠惰
 ・正(平穏):豊かな日常。状態の維持。
 ・逆(怠惰):無気力な日常。無変化による劣化。
●信頼と依存
 ・正(信頼):互いの存在を認め、確かめ合う。相手を信じた上で頼る。
 ・逆(依存):自分の願望を他人へ押しつける。勝手に他人を頼りにする。
●契約と縛鎖
 ・正(契約):約束。誓い。
 ・逆(縛鎖):重荷となる約束。
●解放と裏切り
 ・正(解放):縛りつけるものの破棄。
 ・逆(裏切り):自分の都合により約定を違える。
●贈与と剥奪
 ・正:何かを与える。もしくは、何かが与えられる。
 ・逆:何かを奪う。もしくは、何かが奪われる。
●絆と不和
 ・正(絆):人間関係が構築される。
 ・逆(不和):人間関係が壊れようとする。
●法と支配
 ・正(法):あるべき正しい姿。規律。
 ・逆(支配):勝手な思い込みを他人に強要する。
●闘争と敗北
 ・正(闘争):勝ち負けの区別がまだ付かない状態。競い合い。
 ・逆(敗北):闘争における失敗。
●憧れと不安
 ・正(憧れ):素晴らしい未来を夢見る。
 ・逆(不安):未知なるものへの恐怖。
●勇敢と蛮行
 ・正(勇敢):窮地へと進む覚悟。決断。
 ・逆(蛮行):勝算も用意せずに戦おうとする。単なる暴力。
●賢者と詐欺師
 ・正(賢者):正しい忠告を送る者。知恵。
 ・逆(詐欺師):無責任な忠告を送る者。口だけ人間。嘘。
 ・注意! 賢者と詐欺師とはキャラクターとは限らない。
●祝福と呪詛
 ・正(祝福):他人の幸福を願う。
 ・逆(呪詛):他人の不幸を願う。
●輪廻と対立
 ・正(輪廻):同じことの繰り返し。元の木阿弥。
 ・逆(対立):相容れない一対の存在もしくは関係性。
●成長と老い
 ・正(成長):時間経過による進歩。
 ・逆(老い):時間経過による衰え。停滞。
 ・成長と老いとは共に時間経過を表すが、成長は未来に、老いは過去に向かう。
●回復と病
 ・正(回復):状態が元通りになる。生命力がみなぎる。
 ・逆(病):状態を悪化させようとするモノ。生命力の衰え。
●誕生と破壊
 ・正(誕生):新しいものの登場。妊娠。
 ・逆(破壊):古いものの消滅。死。

 これをボクの場合はプラスティック・フィルムに油性ペンで字を書いて作りました。これなら折れには弱いが、百回使ってもへたれない。皆さんも最初は画用紙で構いませんから、まずは作ってみましょう。
 もちろん、《はまタロット》を使う必要はありません。あなたオリジナルのカードを作るのも悪くはない。



 また《はまタロット》で五十本もプロットノックをやって慣れた人は、ほとんどが《大塚タロット》でのプロットノックも可能になっていました。
 《大塚タロット》は挫折者が多い代わりに、有名ゆえに専用パソコンソフトといったツールが充実しています。途中から《大塚タロット》でやるのも気分が変わって面白いでしょうね。

 ともかくは、手を動かしましょう。


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