プロットノックをやろう その9

              ラインを読む




 これから説明する「ライン」という考え方は、プロットノックを実際にやった人しか分からない。感覚的なものとなります。
 ですが、やった人ならきっと分かるはず。

 カバラという神秘主義には生命の樹という、幾つかある丸い実に枝が複雑に絡み合った絵図が伝わっています。この生命の樹とはつまるところ、悟りの開き方を図説したものと考えてください。
 この丸い実を「セフィラ」、実と実を繋ぐ枝や幹を「小径[バス]」といいます。

 もしもタロットにおけるカードの並べ方「スプレッド」を、生命の樹に例えるならば。それぞれのカードこそが「セフィラ」ということになるでしょう。しかしプロットノックにおいて真に注目すべきは、セフィラではない。それらを繋ぐ「小径」の方です。
 プロットノックに慣れてきたあなたなら、きっと見えてくるはず。カードとカードを繋ぐ、実際には存在しないはずの小径……すなわちラインを。そしてプロットノックにおけるコツとは、カードを見るのではない。ラインをこそ注目してください。

 カードの出目は「点」に過ぎません。その点と点とが繋がって線となり、面となり、立体となることで、物語となるのです。
 だからカードを一枚ずつ出すのではない。並べたカードを全てまとめ、物語として一気に出してしまう。異なる要素を繋ぎ合わせ、物語にしてしまう。
 そうした発想の機転こそが、プロットノックにおいては重要になります。

 とはいっても、以上の説明では抽象的過ぎるかもしれませんから。少しだけ具体例を挙げてみましょう。
 例えばカードを引いた結果「出会い/絆/契約」という出目になったとしましょう。これを分けて考える。まず「出会い/絆」ならば、これは初恋だろう。「絆/契約」ならば、結婚かな。
 ということは「初恋+結婚」で、「出会い/絆/契約」から導き出される物語とは、「初恋相手との結婚」というものになります。

 これだけ聞くと簡単そうに思えるでしょうが。実際に多くのカードからラインを見抜こうと思ったら、それなりの習熟が必要となってきます。
 あとはもう練習、練習!


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