コレクションSSを書こう その3

          書きたいテーマの発見




 というわけで、ともかくはやってみましょう。
 まずは自分が書きたいジャンルを決めてください。ジャンルが決まったら、設定のアイデアを百本ほど出します。後は設定を紹介するために、良い感じのストーリーをワンシーンでつければ、はい完成になります。
 ボクなら風景描写が苦手だったから、風景写真を集めて、描写練習に使ったこともありましたっけ。
 アイデアノックとプロットノックの、ちょっとした応用になります。ね、簡単でしょ?

 ……分かってます。いわれて出来るくらいなら苦労しないって。最初から出来る人は、そう指示されて本当に出来ちゃうのですけど。問題は出来ない人です。困ったことに、いるんですよね。小説家への憧れが先行して小説家を書き出したので、自分で自分が何を書きたいのか分からない人が。自由に書けといわれた途端に悩んでしまう人が。
 仕方ありません。順を追って、各手順について説明しましょう。まずは書きたいジャンルを決めるところから。

 まずは大きな紙を用意してください。そして自分の中にあるものを全て、マインドマップの形式で書き出しましょう。マインドマップについては各人で調べること。
 書くべき項目は例えば、自分が好きなもの、嫌いなもの、知っていること、興味があること、萌え属性、今までの人生経験といったところです。
 出尽くして、書けなくなるまでマインドマップを広げましょう。マインドマップとして正確に描く必要はありません。重要なのは、自分の中にあるものを自分で再確認することなのですから。

 例えばボクの場合なら……文学をやっていて神話学に興味を持ち、ユング心理学もやるようになった。すると仏教美術もやっていたので宗教学にも手を出すと共に、仏教と美学もやる。文学用語を知るために哲学をやったら論理学も囓った。昔のお稽古ごとで空手と柔道をやらされていたから中国拳法もつまみ食い。
 これだけあれば、使い物になりそうですね。

 さてマインドマップを描いたら、使い物になりそうなテーマを見つけましょう。自分の中心を占める場所から、3つほど選びます。
 例えば、ある瞬間の気持ち、エロや殺陣といった特定のアクション、風景、キャラの個性、といったところでしょうか。

 ここで注意。選ぶのは複数でなくてはなりません。なぜなら、まだ自分の得意不得意は分からないから。実際にコレクションSSをやってみて、もしかすると自分に合ってないかもしれない。その時に選んだテーマがひとつしかないと、ダメだった時に練習が止まってしまう。
 どのみち、たくさん練習しなくてはいけないのだから、3つは選んでおきましょう。

 練習なのだから、とりあえずで何でもやってみる。唯一なんてモノは後から考えましょう。
 それも、選ぶ3つは例えば「ロボット、美少女、戦国時代」みたいに、あえてバラバラにしておくと面白いかもしれませんよ。芸の幅を広げる役に立ちます。
 テーマ探しは不真面目なくらいでちょうど良いと思ってください。


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