コレクションSSを書こう その12

            テンプレートの機能




 どうだったでしょうか?
 アイデアを順番に並べただけで、なぜストーリーになるのか。ひとつひとつ検証してみましょう。

 なぜ設定が冒頭になるのか。
 キャラクターが立つと動機も出る。設定は動きたがっているものなのです。だから設定された時点で「これから、どうなるんだろう?」と読者の興味が引かれることになるのですね。
 設定は既に話題の前振りでもある。ゆえに設定は冒頭となるのです。

 なぜリアクションを起点の後に置くのか。
 ドラマというものは、事件を通して、登場人物がどんな人生を送ったから紹介するもの。まさにリトマスとリアクションです。
 物語とは「起点がどうなるか」もしくは「どうして起点のようになったか」によって進みます。どのみち起点から話題を膨らませるのが物語。ソコが読者の注目する点となります。
 だから「起点=設定」から展開して発想された、リアクションに読者は注目する。なのでリアクションは起点に対する、物語展開として機能するのです。

 なぜ設定とリアクションの間に「ところで」を入れるのか。
 申し訳ないんですが、コレ実はテキトーです。別に「ところで」でなくても、「そして」でも何でも合うっぽい接続詞なら、どれでも構いません。
 今回はボクが「ところで」が使いやすいだろうと勝手に判断しました。その辺の選択は個人の自由に任せます。

 なぜテーマがシメとなるのか。
 告白すると、本当は「設定 → (ところが) → リアクション」というCの段階で作業は終わりだったはずなのですが。Cのままではどうにも収まりが悪いと気付いた。なので後からサッとシメになるアイデアを探しました(笑)
 で、見つけたのが、まとめの言葉になりやすい、テーマそのものだったのです。いわゆる「大切なことなので二回いいました」ってヤツですね。
 案外に上手く機能してくれて、ボク自身が一番ビックリです(笑)

 以上「設定 → ところで → リアクション → テーマ」というふうにアイデアを並べただけで、だから一本のストーリーとなってしまうわけです。
 名付けて《コレクションSSのテンプレート》とでも呼びましょうか。
 このテンプレート、本当は序破急と同じになっています。つまり序破急の各機能を熟知してれば、あなた独自の構成法も自在に思いつけるようになる、というわけですね。
 中には熟練次第で短編が書けるようになる方も出てくるかもしれません。

 また応用的な話をすると。コレクションSSのテンプレートは、長編を書く際にも使えます。
 例えばバトルや冒険ものの長編が合ったとして、バトルや冒険は実はキャラクターを引き出すためのリトマスに過ぎません。リトマスの結果、リアクションが起こって、どんなキャラクターか、世界かが分かる。
 これは長編でも同じです。
 例えば「偶然に出会った少女が悪漢に襲われていたので助けたついでに少女の悩みも解決して癒してあげたら惚れられました」とか。そういうのはストーリーじゃない。エピソードを積み重ねただけの串団子です。

 というわけで作ってみました。SWOTからストーリー構成まで。コレクションSSの自動生成法になります。


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