タイムテーブルで映画を分析しよう
その3

       タイムテーブル注意点




 もういちどタイムテーブルを見てみましょう。
 基本的には、プロットポイントTとプロットポイントUがどこにあるのか、さえ押さえられていれば構いません。
 プロットポイントUでは、プロットポイントTで起こった問題が必ず解決されると意識しておいてください。

 ただ、ここからが秘伝。プロットポイントとは単独で、いきなり出てくるのではない。伏線があって、プロットポイントが生じているのです。
 ではその伏線はどこにあるのか。大抵が、前のプロットポイントとの中間点あたりに、伏線が設置されていることが多いようです。
 ココ、重要なので忘れないように。

 だからプロットポイントTでは《事件》が起こって、物語が動きはじめるならば。その前の中間点、十五分あたりで伏線として、さりげなく《事情》を説明する、というのが常套テクニックです。
 《事情》という伏線があったから、いきなり《事件》が起こっても、視聴者は不自然に思わなくなる。スムーズに物語が展開しているように感じるのです。

 実はミッドポイントというのも、プロットポイントTを受けて、プロットポイントUを生じさせるための伏線として機能しています。
 だからミッドポイントは自身が伏線であると同時に、プロットポイントTという伏線を受けての物語展開である。すると、プロットポイントとの中間点、例えば四十五分や七十五分あたりに、ミッドポイントを支える小さな伏線が設置されていたりします。

 こうしたシーン同士の繋がりを、実際にノートにでも書き込んだ上で、赤ペンなどでシーン同士を矢印で結んでしまいましょう。隣り合っていない、離れたシーンとシーンが、関係し合って物語を綴っていることに気づくはずです。
 すると改めて分かると思います。ハリウッドのタイムテーブルって、上手くできているんですよねえ〜。

 ……余談ですが。以上のような伏線の要素を加味して考えてみましょう。サイトに掲載されているような、三点のプロットポイントがあるだけの、タイムテーブルというのは、明らかに情報不足ですね。
 はい。わざと、重要な情報を削ったバージョンのタイムテーブルを掲載させてもらいました。
 ボクの手元にあるタイムテーブルは、B5用紙に書き込めないくらい、いっぱいの情報がギチギチに詰め込まれています。ですが、ボクのタイムテーブルは一般公開しません。
 皆さんへの宿題として、自分なりのタイムテーブル作りを目指してください。


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