視点 その56 パースペクティブと奥行き(1) |
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以上までがパースペクティブにおける基本的な約束事となる。そして、ここからお教えするのが、パースペクティブにとって一番の目標となる特殊効果だ。 パースペクティブとは、すなわち遠近法のこと。ならば、文章のパースペクティブのみ、つまりは視点のみで空間を描写してみよう。それも、空間を表現する語を使わずに。 文章によって空間を表現するといっても、空間の何を表現するというのか。今回は空間の特に、奥行きについて考えてみる。 空間の奥行きを出すには、その空間内にあるふたつ以上のモチーフに対して、それぞれ異なるパースペクティブをつけよう。 そして、それらのモチーフを対比させる。この対比が空間の奥行きになるはずだ。 これが2モチーフの両方とも同じパースペクティブではいけない。 異なるパースペクティブを持たせることで、近景と遠景ができる。すると遠近の間の距離が生まれる。ゆえに空間的な奥行きのように感じるのだ。 ここで注意しなければならないのは。焦点子とモチーフ間の距離は、遠すぎても近すぎてもいけない、ということだ。 カメラをロングに引くと、近くの人も遠くの人も似たような大きさになってしまう。だから近くのモチーフは極端に大きく、遠くのモチーフはすごく小さく描くことで、奥行きが出てくれる。
実はコレこそが、以前やらせてもらった「風景描写のコツ」の原理となります。 |