視点 その57 パースペクティブと奥行き(2) |
||
|
||
ところで……空間の奥行き描写だが。正直に告白しよう。 実はモチーフの情報量を調整し、いちいちパースペクティブをつける必要はない。「遠い」とか「近い」と単に書いただけでも本当は効果が出ちゃうのだ。
例えば、あるモチーフの場所を「高い」と表現したとしよう。ということは焦点子は低地に位置している、ということになる。 これをパースペクティブとして表現したとすると。低地にいる焦点子が、遠いパースペクティブであるモチーフを描写する。するとそのモチーフは必然、高所に位置している、ということになるだろう。
奥行きを出すための対比ならば、他にも色々ある。全体と部分。大と小。長と短。多と少。遠と近。広と狭。抽象と具体。早いと遅い。 奥行きで表現するのは、焦点子とモチーフとの関係そのものだ。関係に合わせたパースペクティブを使いこなして欲しい。 |